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ロードカナロア牝駒における『ヌレイエフ』のクロス

2019/03/13 03:27

週末のアネモネSでルガールカルムが勝利。
ロードカナロアの牝駒において、ヌレイエフのクロスが恩恵をもたらす仕掛けであることを印象づけました。


ただし、ルガールカルムを除くと、現3歳のヌレイエフのクロスもちはあまり実績を残せてはいません。


勝てるヌレイエフのクロスと、勝てないヌレイエフのクロス、一体どこに違いがあるのでしょう。


ひとつ気づいたのが、活躍している馬たちは『ミスタープロスペクター』の血をクロスしていない、ということ。


ミスプロをクロスせず、ヌレイエフのみをクロスしているカナロアの牝駒は、11頭いて5頭が勝ち馬。
代表産駒のアーモンドアイ、前述のルガールカルムのほか、POG期間に2勝を挙げているエイシンデネブとジョーカナチャンが出ています。

一方、ミスプロとヌレイエフを同時にクロスしているほうは、9頭中3頭が勝ち馬。
2勝馬はまだ出ていません。


ミスプロのクロスがあるのとないのとで大きく違ってくるのは、「キングマンボの増幅」になるかどうかです。


ヌレイエフはパワーに優れた血ですが、ハイペリオン4×4のクロスによる“持続力”も兼備していて、重厚な切れ味を伝えます。

キングマンボはそのヌレイエフを母父にもつ血統ですが、父のミスタープロスペクターからアメリカ的なスピードを受け継いだことで、ヌレイエフの持続力の要素が薄れ、突進的な“パワースピード”色が濃くなっています。


ロードカナロアの牝駒にとって重要なのは、ヌレイエフの“持続力”なのかもしれません。

ヌレイエフだけをクロスして、持続力を引き出すことができれば大きな恩恵となる。
しかしミスプロを同時にクロスすると、キングマンボの包括的な増幅へと変わってしまい、パワースピードのほうが強調されてしまうため、ヌレイエフの持続力が出づらい。

こんな感じの作用が起こっているのでしょうか。


頭数が少ないのでハッキリと言えないところはありますが、今後はミスプロの有無を注視しておきたいところですね。


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ロードカナロアについて考える

2018/08/27 00:12

昨年、産駒がデビューしたロードカナロア。
産駒の傾向を見ていると、カナロア自身の現役時代よりも柔らかな体質を伝えている印象があります。
これは母レディブラッサムがもつ「セクレタリアト=シリアンシー」の要素を、強く伝えるからでしょう。

現3歳の活躍馬を見ると、アーモンドアイはヌレイエフのクロス。
ステルヴィオがヌレイエフ≒フェアリーキングのニアリークロスをもっています。
父が柔らかいぶん、ヌレイエフのパワーを増幅して引き締めることが、大きな効果を発揮しているようです。

ただ、個人的には気になっていることがあります。


これは少し前のつぶやきなので、いまどうなっているのか正確には把握していませんが、ノーザンダンサーをクロスして体質を硬く引き締めることは、牡馬はマイナスで牝馬はプラスという傾向が出ています。
ロードカナロア産駒は牡馬は硬めに出やすいので、あまり引き締める必要がなく、逆に牝馬は柔らかめに出やすいので、ガチッと引き締める必要がある、っていう感じなのかもしれません。

そうなると、ヌレイエフのパワーを増幅することを、牡馬と牝馬で同等の効果として扱っていいのかな?、という気もするんですよね。


今日の新潟2歳Sを勝ったケイデンスコールは、ヌレイエフを増幅していません。
むしろトニービンを補給して柔らかな切れ味を強化した、これまでのロードカナロア産駒とは少し違ったタイプです。

ここにヒントがあるのだとしたら、ポイントは「ナスルーラ+ハイペリオン」でしょうか。
トニービンは「ナスルーラ+ハイペリオン」の代表格ともいえるほど、柔軟性に富んだ持続力を伝える血なのです。
望田師匠風にいうなら、ナスペリオン血統ですね。


現在、カナロア産駒の牡馬で2勝以上を挙げている馬のうち、マイル以上で勝っているのは、ステルヴィオ(スプリングS)、ケイデンスコール(新潟2歳S)、サンラモンバレー(千両賞)、ゴールドギア(八雲特別)の4頭。

このうちケイデンスコールとサンラモンバレーとゴールドギアの3頭はトニービンをもっています。
また残るステルヴィオの場合は、トニービンと並んで「ナスルーラ+ハイペリオン」の権化ともいえるテスコボーイの血をもちます。
(ステルヴィオの考察については、デビュー前に書いた記事も参考にどうぞ→http://sfreak.blog24.fc2.com/blog-entry-1717.html


もちろんカナロア産駒の牡馬でもヌレイエフのパワー増幅が不要と言っているわけではありません。
また牝馬の場合でも「ナスルーラ+ハイペリオン」の補強は効果があると思います。
どっちが良くてどっちがダメという問題ではなく、あくまでも性別によって何に比重を置くのか、ということですね。

そんな感じで、ロードカナロアの牡馬をPOGのマイル路線で狙う場合、特に「ナスルーラ+ハイペリオン」を重視するのが有効なのかもな~っていう話でした。


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ハーツクライとジャスタウェイの違いを考える

2018/08/13 16:42

今年から種牡馬デビューしたジャスタウェイが、かなり好調な出だしですね。
このへんで、ちょっと真剣に考えてみることにします。

ジャスタウェイの父であるハーツクライは、種牡馬としてトニービンの「ナスルーラ+ハイペリオン」の持続的な斬れ味を色濃く伝えています。
それと同時に、3代母のマイビューパーズのアメリカ的な資質が、裏方に回ってパワーを支えていました。
大雑把にいえば、この2点がハーツクライの特徴です(ほかにもリファールとかありますけどね)。


ジャスタウェイという競走馬は、そのハーツクライのトニービンに対して、ワイルドアゲインの母ブッシェルンペックの「(ナスルーラと≒の)Dama+ハイペリオン」を合わせることで、ハーツクライの持続的な斬れをそのまま受け継いでいます。
さらにマイビューパーズに対しては、(ジャスタウェイから見て4代母の)Blue Doubleを合わせて、「ダブルジェイ+リヴォークド」を同調させ、米パワーもしっかりと押さえています。

つまりジャスタウェイはハーツクライの特徴をそのまま継続させたタイプであるうえ、その特徴を打ち消すような余計な要素も加えていないことから、種牡馬としてのツボもハーツのツボをそのまま受け継いでいる可能性があります。


これまで勝ち上がっているジャスタウェイ産駒を見ると・・・

ラブミーファインとヴェロックスは、チーフズクラウンの血に注目です。
チーフズクラウンは、ハーツクライとの組み合わせからヌーヴォレコルトとベルラップをだしています。

またエイシンゾーンとタムロドリームの場合は、シルバーホークがポイント。
ハーツ×シルバーホークからは、ツルマルレオンとグレイルがでています。

またエイシンゾーンはほかにも、フレンチデピュティとストームキャットも良さげです。
ハーツ×フレンチデピュティは、アドマイヤミヤビ、アドマイヤエイカンと一緒。
ハーツ×ストームキャットからは、ゴーフォザサミットが出ているのです。

アドマイヤジャスタとトスアップは、ジアクスの血。
ハーツ×ジアクスは、アドマイヤラクティ、ギュスターヴクライ、カポーティスターがいます。


こんな感じで、いまのところジャスタウェイ産駒は、ハーツクライの配合で好相性だった血との組み合わせで結果を出しているようです。
・・・そういう狙いから、ストームキャットとシルバーホークもちのレッドエンヴィーをPOGで指名したのに、なんでオレだけ流れに取り残されるんでしょう(´・ω・`)


ところでハーツクライって、牡馬の産駒と牝馬の産駒で配合のツボが少し違うように思います。
詳しくは下記の記事をお読みになってほしいのですが、簡単にいうと、牡馬は米血主体、牝馬は欧血主体のほうが成功しやすい印象です。
http://sfreak.blog24.fc2.com/blog-entry-1754.html

ですが、いまのところ勝ち上がっているジャスタウェイ産駒たちは、牡馬牝馬に関わらず、米血主体の血統が多いんですよね。

ラブミーファインの母はアグネスデジタル×フジキセキでインリアリティのクロスなので米血主体。
エイシンゾーンもクロフネ×シルバーホーク×ストームキャットなので、コテコテの米血。
トスアップもサンダーガルチ×リローンチという米血構成。
タムロドリームも、シルバーホークやチーフテン、アフリートなど、米血豊富なタイプです。

いまの段階でもっとも牝馬の王道向きなのは、アウィルアウェイでしょうか。
この馬もミスプロやメドウレイク、インリアリティなど米血豊富ではありますが、キングカメハメハから欧血的な斬れ(ヌレイエフ+ラストタイクーン)を受け継いでいます。


ま~ジャスタウェイ産駒はデビューしたばかりですし、まだハッキリとはわかりませんよね。
そもそもハーツが種牡馬デビューした当初も、僕は牝馬の産駒でも米血主体が良いと思っていたせいで、リスグラシューを否定的に考察して土下座した過去があります(笑)

秋になって傾向が変わってくるかもしれませんし、それにつれてハーツクライとジャスタウェイの差も明確になってくるかもしれません。
いろんな可能性を考えておきたいところです。
いずれにしても、今後が楽しみな種牡馬であることは間違いなさそうです。


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ヘニーヒューズを考えていたら、ヴィクトワールピサに辿り着く

2018/01/28 10:53


このツイートをしたあとに2勝目を挙げたマニクールとプロミストリープも、ミスプロ+ボールドルーラーのクロス持っています。

今回は、なぜミスタープロスペクターが効果的なのかについて、僕なりに考えをまとめてみました。



ヘニーヒューズにミスタープロスペクターを合わせると、ヘニーヒューズの母父メドウレイクとミスタープロスペクターの間に、以下のような脈絡が発生します。


1,レイズアネイティヴのクロス

2,ブルーグレイル≒ノーサードチャンス≒ミスドッグウッドのニアリークロス

3,ノットアフレイドとゴールドディガーにおける、「カウントフリートを経由するザテトラークのクロス持ち」同士の共鳴



  ┌牡
 ┌牡└ノットアフレイド(ザトラーク血脈)
┌牡
│└牝
│ └ブルーグレイル(≒ノーサードチャンス≒ミスドッグウッド)

メドウレイク

│┌レイズアネイティヴ
└牝
 └牝
  └ノーサードチャンス(ブルーグレイル≒ミスドッグウッド)


┌レイズアネイティヴ

ミスタープロスペクター

└ゴールドディガー(ザテトラーク血脈)
 └牝
  └ミスドッグウッド(≒ブルーグレイル≒ノーサードチャンス)


ニアリークロスとまではいかないものの、両者はそれなりに様々な要素が脈絡する間柄になっています。
このうちレイズアネイティヴと、ブルーグレイル≒ノーサードチャンス≒ミスドッグウッドは、単純なクロス(ニアリークロス)なので説明は省略しますが、ノットアフレイドとゴールドディガー間の脈絡についてはややこしいことなので、もう少し詳しく解説しますね。



メドウレイクが持つノットアフレイドという血は、ザテトラーク5×4というクロスを持っています。
このザテトラークはスピードに優れた血なので、現代の競馬においても重要な存在です。

このノットアフレイドと同じ構成をしているのが、ミスタープロスペクターの母であるゴールドディガー。
この血もザテトラーク5×6を持っているのです。

つまりノットアフレイドにゴールドディガーを合わせると、両者のスピード源が強烈に刺激されるんですね。
しかも、どっちも父のカウントフリートを経由してザテトラークをクロスする、という点まで共通します。


ヘニーヒューズ×ミスタープロスペクターが成功するのは、前述の通りメドウレイク×ミスタープロスペクターにおける、、レイズアネイティヴのクロスやブルーグレイル≒ノーサードチャンス≒ミスドッグウッドなど、様々な脈絡が根拠です。
しかしスピードを支えるという意味では、特にノットアフレイドとゴールドディガー間でのザテトラークの刺激が、非常に重要なポイントになっているのだろうと思う今日この頃です。



さてヘニーヒューズの考察についてはこれで終了ですが、ここまで書いていて、1頭、同じ理屈で成功している種牡馬に気づきました。
ミスタープロスペクター(ゴールドディガー)を持つヴィクトワールピサです。
実はヴィクトワールピサは、母方にノットアフレイドを持つ産駒がよく活躍しています。

コウソクストレート(ファルコンS勝ち)
ミッシングリンク(TCK女王盃勝ち)
アウトライアーズ(スプリングS2着)
パールコード(秋華賞2着)
アジュールローズ(プリンシパルS勝ち)

このように、様々な活躍馬をノットアフレイドが支えています。
これもおそらくゴールドディガー×ノットアフレイドによる恩恵でしょう。


ちなみにノットアフレイドは、プリンスジョンのお母さんとして有名。
主にリヴァーマン、コジーン、フレンチデピュティなどが持っていますので覚えておきましょう。


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ディープとブラックタイドの違いを考える

2018/01/09 23:24

ドナテッロをクロスしたディープインパクト産駒は、多くの活躍馬を出しているPOGの成功パターンです。
日本ダービーの優勝馬である、マカヒキ、キズナ、ディープブリランテはみなこのクロスを持っており、特に牡馬にとっては重要な仕掛けと言えます。


ではディープの全兄ブラックタイドの場合はどうなのかというと、ドナテッロをクロスした産駒に目立った活躍馬はいません。
POG期間に結果を残しているのは、ホープフルS2着のコメートくらいです。

ただし、ブラックタイドがPOG期間に送り出した牡馬の重賞勝ち馬4頭を見ると、キタサンブラック以外の3頭(マイネルフロスト、タガノエスプレッソ、テイエムイナズマ)が、「ドナテッロ≒ブードワール」のニアリークロスを持っているんですよね。
ちなみに牝馬の重賞馬ライジングリーズンも持ってます。

ブードワールと言ってもピンと来る方は少ないかもしれませんね。
グロースターク&ヒズマジェスティ兄弟の3代母、ユアホスト&ユアホステス兄妹の母として、血統表で良く見かけます。


このことから、増幅するやり方は違えど、ブラックタイドもドナテッロの増幅がちゃんと成功パターンになっていることがわかります。

ブログ用成績データ



何故、ディープの場合はドナテッロの直接クロスが良くて、ブラックタイドはブードワールとのニアリークロスが良いのでしょうか?


ドナテッロと、ブードワール一族(グロースターク&ヒズマジェスティ兄弟や、ユアホスト&ユアホステス兄妹)はどちらもスタミナに優れた血です。
しかし両者が伝えるスタミナは、厳密に言うとちょっと違います。

ドナテッロは長距離を走るような心肺機能を向上させるタイプ。
生粋のスタミナという感じです。

一方ブードワール一族は、距離を伸ばす効果というよりは、苦しい場面でへこたれない持久力を支えます。
スタミナというよりは“底力”という言い方が適しているかもしれません。


ディープインパクト産駒の牡馬はアルザオの素軽さが強く出ているぶん、スタミナには少し頼りないところがあります。
そこでドナテッロをクロスすることで、純粋なスタミナを増幅することが大きな効果を生み出します。

ブラックタイドはバークレアの重厚なスタミナを強力に受け継いだタイプ。
なので更にドナテッロのスタミナを伸ばしてしまうと、かえって鈍重に出過ぎてしまうのかもしれません。
そこでブードワールを使ってドナテッロを刺激することで、重苦しくさせすぎず、上手く底力だけを引き出す方法が良いのでしょう。


ちなみにディープインパクト産駒の牡馬で、ドナテッロ≒ブードワールを持つ馬のうち、POG期間のGⅠ優勝馬は5頭います。
皐月賞を勝ったディーマジェスティとアルアイン、NHKマイルCを勝ったミッキーアイル、そして朝日杯FSを勝ったサトノアレスとダノンプレミアムです。
ダービー馬3頭はブードワールの血を持ちません。

やはりこのニアリークロスは、長距離よりはマイル~中距離あたりで効果を発揮しやすい仕掛けなのでしょう。

そうなると、昨年の最優秀2歳馬を獲得したダノンプレミアムはマイル~中距離向き、つまり皐月賞>ダービー向きのタイプと考える事もできるのですが…。
この馬はドナテッロの直接クロスも持っているので、同時にダービーを勝つ資格も有しているのがややこしいところです(笑)



固有の馬についての考察はさておき、とりあえずディープ産駒でダービーを狙うならドナテッロの直接クロス。
ディープ産駒でも朝日杯FS、ホープフルS、皐月賞、NHKマイルC狙いならドナテッロ≒ブードワール。
ブラックタイド産駒の大物狙いでもドナテッロ≒ブードワール。

こんな感じで覚えておきましょう。





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